ブログ!(徒然日記)
自家焙煎珈琲ロール誕生物語 〜信じた味が全国で愛されるまで〜
甘くないロールケーキなんて売れない?最初の不安
「甘くないロールケーキなんて売れないんじゃない?」――僕たち19HITOYASUMIでこのロールケーキの開発を始めた当初、そんな声を耳にしたとき、正直言って少し不安になりました。ロールケーキといえば甘くて当たり前。コーヒー風味とはいえ、甘さ控えめの“大人のケーキ”なんて本当に受け入れられるのだろうか…。僕自身も葛藤しましたが、それでも自分たちの「本当においしい」を信じて妥協せずに追求しよう、と心に決めたのです。というのも、僕自身、実は甘さ控えめのスイーツが昔から好きで、コーヒーの香りを主役にしたお菓子をいつか作りたいと密かに思っていました。甘いケーキが苦手な方や、本物のコーヒーの風味を求める方にこそ喜んでもらえるロールケーキを作りたいと考えたんです。それはある意味挑戦でもありましたが、甘さに頼らず素材と香りで勝負するケーキというコンセプトに、僕はワクワクしていたのを覚えています。
焙煎士の情熱をロールケーキに込めて
僕はスペシャルティコーヒーの焙煎士でもあります。実は18歳で渡米し、本場のカフェ文化とコーヒーの奥深さに触れて以来、ずっとコーヒーひと筋。国際資格Qグレーダーやコーヒーマイスターも取得し、日々豆の焙煎に向き合っています。その培った技術と情熱をスイーツ作りにも活かせないか、と考えました。日々コーヒー豆の個性を引き出すために微妙な焙煎加減に心血を注いでいますが、同じようにロールケーキにもコーヒーの奥深い味わいを表現したかったのです。生地にもクリームにも自家焙煎したてのスペシャルティコーヒーを贅沢に使用し、何度も試作を重ねました。豆の挽き具合や焙煎度合いを変え、「ビターだけど嫌な渋みはない絶妙なコーヒー感」を出すために試行錯誤の日々です。そうして完成したコーヒーロールケーキは、ひと口頬張ればふわっと香るコーヒーの香ばしさとほろ苦さ、そしてほんのりとした甘みが調和する、自信作になりました。自分のコーヒーへの愛とこだわりをそのまま詰め込んだケーキと言っていいでしょう。
富山の素材にこだわる地産地消
当店自慢の『自家焙煎珈琲ロール』スペシャルティコーヒーを生地とクリームに贅沢に使い、富山県産小麦「ゆきちから」をはじめ、地元産の平飼い卵や国産バターなど地元の素材もたっぷり使用しています。苦味と甘みのバランスが絶妙な、大人のためのロールケーキに仕上がりました。僕たちは地元・富山のカフェだからこそ、素材選びにも富山県産にこだわりたいという想いが強くありました。地元の良質な素材を使うことで、生産者の方々とも繋がりが生まれますし、何より新鮮で安心できる美味しさをお届けできます。このロールケーキには富山の恵みがぎゅっと詰まっているんです。地元に根ざした店として、生産者の方々と二人三脚で良いものを作り上げていくことは僕たちの誇りでもあります。お客様からも「地元の素材で安心して食べられる」「富山らしいケーキで嬉しい」といった声をいただくことが多く、地産地消にこだわってよかったと実感しています。
テレビ紹介が転機に:一気に全国区の話題へ
こうして誕生した『自家焙煎珈琲ロール』ですが、販売開始当初はやはり「苦すぎるかな?」と半信半疑のお客様も少なくありませんでした。それでも一度召し上がった方からは「コーヒーの香りがしっかりして美味しい!」と好評で、リピートしてくださる方も増え、口コミでじわじわと広がっていったのです。それがある日、テレビ番組で紹介されたことをきっかけに、一気に全国的な話題へと飛躍しました。TBS系列の番組「坂上&指原のつぶれない店」で、取引先である山梨県のスーパーひまわり市場さんがこのロールケーキをイチオシ商品として紹介してくださったんですね。番組で自分たちのロールケーキの名前が映った瞬間、スマホが急に通知が止まらなくなり、SNSのフォロワーが急に1000件以上増えたりそれが一晩中続きスマホがアチチの状態になったことを今も良い思い出として覚えています。 放送直後から反響は凄まじく、電話やオンラインショップには注文が殺到!ネット注文だけでも3000件、連日お店の方にもたくさんのお客様がご来店されたり、お取引様からの引き合いのご連絡が方々から寄せられたり、全国各地から「食べてみたい」「取り寄せたい」という嬉しい声が寄せられました。そんなこともあり4ヶ月待ちになることもありました。それぐらい待ってでも食べたい待ってるよと言う声掛けはとてもうれしもありがたいお言葉でした。 スタッフ総出で急ピッチで製造・発送対応に追われる日々が続き、寝る間も惜しんで焼き続ける毎日でしたが、「届くのを楽しみにしています!」というお客様の声に支えられ、不思議と疲れも感じませんでした。店頭販売を一時ストップし、通販対応に集中したほどです。ちなみに、遠方のお客様にも出来立ての美味しさを楽しんでいただけるよう、焼き上げたロールケーキは最新の瞬間冷凍機で急速冷凍して発送しています。解凍後もしっとりふわふわな食感が損なわれないため、「遠くに住んでいても本格スイーツが味わえる!」と好評を頂けました。SNSや口コミでも「コーヒーの香りが本格的で感動!」「甘すぎなくて大人向けの絶品スイーツ」といった多くの喜びの声が広がり、僕たちの小さなカフェのロールケーキが一躍全国区のスイーツになった瞬間でした。
信じた味が評価された喜びと感謝
自分たちが心から美味しいと信じて送り出したロールケーキが、こうして全国の皆さんに受け入れられ、高い評価を頂けたことに、感動と感謝の気持ちで胸がいっぱいです。「自分たちが信じた味が評価された」――その実感が湧いたとき、思わず熱いものが込み上げてきました。当初「甘くないロールケーキなんて…」と言われても貫いた僕たちの想いが報われたんだ、と。何より、お客様から寄せられる「おいしかった!」「また食べたい!」という声ひとつひとつが嬉しくてたまりません。例えば、「コーヒー好きの父の誕生日に贈ったら大変喜んでくれました!」といったエピソードを伺ったこともあります。自分たちのケーキが誰かの大切なひとときに彩りを添えられたのだと思うと、本当に作って良かったなあとしみじみ感じます。開発から販売まで支えてくれたスタッフや地元の生産者の方々、そして何より手に取ってくださったお客様に、心から感謝しています。
最後に、今回の経験から強く感じたのは、「本当においしい」と信じるものを作り続ける大切さです。たとえ最初は非常識に思えるアイデアでも、情熱をもって追求すれば、必ずその想いは届くのだと身をもって知りました。これからも僕たちは、コーヒーとスイーツに情熱を注ぎ、“ひとやすみ”したいときにそっと寄り添えるような美味しさをお届けしていきたいと思います。僕たちが信じた味を、ぜひこれからも多くの方に楽しんでいただけますように。最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!
自家焙煎珈琲ロール誕生物語







