ブログ!(徒然日記)

2025-11-22 10:08:00

地元富山でのコーヒー教室15年目に突入!

昨日のコーヒー教室、めちゃくちゃ楽しかったです。

こんにちは。19HITOYASUMI & amidacoffee 焙煎士の渡邉功一です。

昨日、amidacoffeeでコーヒー教室をやりました。

毎月2回やってるんですが、昨日はなんだかいつもより人が多く。仕事帰りの方、家でガチでコーヒー淹れてる方、「正直よくわかんないけど、自分で美味しく淹れたくて」って飛び込んできてくれた方。いろんな人がひとつのテーブルを囲んでくれて、なんかもう、それだけで嬉しかったんです。

で、みんなでコーヒー淹れて飲み比べてたら、「え、こんなに味変わるの?」「さっきと全然違う…!」って驚いてる顔が目の前にあって。

あー、やっぱり、今回もやってよかったな、って素直に思いました。


お湯の温度、たった5度で世界が変わる話

昨日のテーマは「世界のおいしいスペシャルティーコーヒー4種飲み比べと手軽に簡単ハンドドリップレシピ伝授します!」でした。

スペシャリティーコーヒーが花開く、現代のマーケットでも本当においしいスペシャルティコーヒーでなかなか手に入らなかったり、吟味できない。そんなこと多々あると思います。そこでプロの目利きが選りすぐったエチオピア、イルカチェフェ、ナチュラルG1とインドネシアスマトラマンデリンG1ルワンダニャマシェケウォッシュド、そしてケニアAAガトンボヤこのキャラクターが明確に分かれた4つを飲み比べてもらい、コーヒーの持つ酸味特性であったり、ボディー感の違いいや甘みの特性を感じてもらいました。そして、オリジナルレシピを伝授して、みんなで豆も同じ、挽き方も同じ、量も同じで淹れ比べも行いました。変えたのは温度だけ。

面白かったのは注湯する温度の違い93℃と88℃でどれほど味わいが変わるかと言う実験です。たった5度です。でもこれが、飲んでみると全然違う。酸味の出方、甘さの広がり方、後味の残り方。ぜんぶ変わります。

最初は「うーん、なんとなく違う…気がする?」くらいだった皆さんが、何杯か飲み比べてるうちに「こっちは尖ってる」「こっちのほうが甘みが残る」「角がとれた感じがする」って、どんどん言葉が具体的になっていくんですよ。

これ、見てて本当に面白いんです。

人の味覚って、ちゃんと向き合えば、ちゃんと応えてくれる。昨日それを改めて実感しました。


寿司屋の息子がコーヒー淹れてる不思議

私は、もともと高岡市戸出の寿司・和食屋の長男なんです。

小さい頃から、父が魚をじっと見て、匂いを確かめて、静かに包丁を入れる姿を横で見てきました。「この仕事は、ちょっとした変化に気づけるかどうかで決まる」って、何度も聞かされて育ちました。とても職人気質な父でした。

18歳でアメリカのシャーロットに行き、そこで世界で今現在花開くカフェ文化に出会いました。毎日大学を抜け出しては、気の合う仲間と学校近くにあるコーヒーショップやカフェに繰り出したことを今でも懐かしくそして心地よく覚えています。日本の喫茶店ともまた違う、カジュアルなんだけど奥深い、あの空気感。「こういう場所が地元にあったらいいのに」って思ったのが、今のお店の原点です。よく当時はサードウェーブと言う言葉を耳にしましたが、それは家と職場もしくは学校の間に存在するコミュニティースペース(誰かと意見を交換したり、たわいもない話をしたり、とても豊かな時間が流れている場所)という意味です。

日本の文化の寿司じゃなくてコーヒーになってはしまいましたが、やってることの根っこは同じだと思ってます。

香りの微かな変化に気づくこと。淹れるときの小さな差を見逃さないこと。お客さんが一口飲んだときの表情をちゃんと見ること。

全部、父から教わったことと繋がってる気がします。

Qグレーダーっていう国際資格を取ったのも、「自分の感覚が独りよがりじゃないか」を客観的に確認したかったから。でも、その知識を自分だけのものにしておくつもりはなくて。昨日みたいに、いろんな人と分かち合えるのが、今は一番嬉しいです。


「教える」っていうより「一緒に試す」感覚

コーヒー教室って言うと、先生と生徒っていう感じがするかもしれないけど、僕はあんまりそういう立ち位置でいたくないんです。

昨日も「自分がおいしいと思えるものを、自分の意思で自分の体で体現するや、人に惑わされることなく、自分にとっておいしいと感じるなど、誰かがいいと言ったや、僕の顔色などは一切気にしなくていいので」なんて言いながら、みんなでテーブル囲んで、実験みたいにワイワイやってました。

参加してくれた方が「理屈で聞くより、実際に飲み比べると一瞬でわかりますね」って言ってくれて。

そうなんですよ。

教室っていうより、同じテーブルで一緒に試して、一緒に驚く時間。そんな感じでいつもやってます。

終わったあと、「家帰ったらすぐ温度計買います」「今日の味、家で再現したいです」って目を輝かせて話してくれる人がいて。今日も教室をして良かったなと心から思いました。。


コーヒーがよくわからない、という人へ

「コーヒーって難しそう」「違いがわからない」「自分には関係ない世界」

そう思ってる人、けっこう多いと思います。

でも昨日の教室を見てて思ったのは、わからないのは当たり前なんですよね。だって、比べたことがないから。

スーパーで買ったコーヒーも、コンビニのコーヒーも、うちで出してるコーヒーも、全部「コーヒー」っていう同じ名前がついてる。でも実際は、温度ひとつで味が変わるし、豆の産地でも変わるし、焙煎の深さでも変わる。

その違いを「知らない」のと「わからない」のは、全然違うと思うんです。

一回、ちゃんと比べてみたら、「あ、自分はこっちが好きだな」ってわかる。それだけで、毎日のコーヒーがちょっと楽しくなる。

難しい知識なんていらないです。「こっちのほうが好き」って言えたら、それでもう十分。今後もそういった気づきを得てもらえるような場の提供をやっていきたいなと思います。もし機会があればぜひ私が開催するコーヒー教室や体験会などにお気軽にご参加ください。心よりスタッフ一同お待ちしております。ちなみにですが、コーヒー教室などに参加しなくてもお店に来てもらって、いろいろ聞いてもらえれば、4店舗すべての店舗にコーヒーマイスターがいます。うちのスタッフはみんな勉強熱心で、最初はコーヒーに興味などなかった。スタッフなどもどんどんはまって、どんどん自分にとっておいしいを追求し始めて、そしてどんどんお客様にその感動をお伝えしたいと言う思いを持ち、マイスター取得まで至りました。ぜひお気軽に各店頭で、お悩みや聞きたいことなどあれば聞いてください!


富山でコーヒーを続ける理由

富山の呉西エリアでお店をやってるのは、コーヒーが好きだからっていうだけじゃなくて。

高岡の町並み、砺波のチューリップや柚子、南砺の干し柿や里山の景色。そういうものが全部、僕にとっての「記憶」いや、アイデンティティーになってるんです。こういった言葉があります。「土徳」や「土着」これらはとても好きな言葉です、何故かと言うとその地に根づいていると言うことだからです。根無し草やヤドカリはダメではないが少し寂しい気がします。自分の先祖や自分の心や体をはぐくみ生み出したこの土地にプライドやアイデンティティーを持つ事はとても大事なことと思います。そこで私が焙煎して、すべてのお店のブレンドコーヒーにつけている。名前はとても日本らしく。「春」「夏」「秋」「冬」「花」「風」「山」「土」「光」「月」「愛」って名前をつけてるのも、ただの雰囲気づくりじゃなくて。この土地で暮らしてる人たちの生活や景色、その空気みたいなものを、一杯のコーヒーに落とし込みたいと思ってつけた名前です。

昨日、ある方が「私は"風"が一番好きでした」って言ってくれました。「優しいけど、ちゃんと芯がある感じが自分に合ってる」って。

そう感じてもらえたなら、"風"を作ってよかったなって、心から思いました。ちなみにですが、風はソフトブレンドのことで、ベースはルワンダの優しいとても女性的な味わいです。そこに少しのエルサルバドルとエチオピアで、力強さや爽やかさの強調をしたブレンドになっています。どこまで行ってもとても優しいコーヒーに仕上がりました。ぜひ一度お召し上がりいただけたらうれしいです!


参加してくれた皆さんへ

昨日来てくれた皆さん、本当にありがとうございました。

仕事で疲れてるはずの夜に、わざわざ足を運んでくれて、真剣に香りを嗅いで、メモ取って、質問してくれて。

「楽しかったです」「また来たいです」「家でもう一回やってみます」

そう言ってもらえるたびに、この仕事やっててよかったなって思います。

コーヒーって、たかが一杯かもしれない。でもその一杯の向こう側には、作った人の顔や、土地の景色や、誰かと交わした会話がくっついてくる。

教室では豆の知識やテクニックも話しますけど、それ以上に「自分の好きな一杯を、自分で見つけていく楽しさ」を感じてもらえたら、僕にとってはそれが一番嬉しいです。


最後に

寿司屋の息子として生まれて、アメリカでカフェに出会って、今は富山でコーヒーを教えてる。

まわり道ばっかりしてきたなって思うこともあるけど、昨日みたいに、たくさんの人がコーヒーを囲んで笑ってる姿を見ると、あの日の選択は間違ってなかったなって素直に思えます。

次の教室でまた会えたら、昨日よりもう一歩踏み込んだ質問、ぶつけてきてください。僕も負けないように、焙煎機の前で日々アップデートしておきます。

今日もそれぞれの場所で、それぞれの一杯が、少しでもやさしい時間になりますように。


 

19HITOYASUMI & amidacoffee 焙煎士 渡邉 功一

コーヒー教室!毎月第2第3木曜日開校!19&amidaコーヒー教室 案内 両面.jpg19&amidaコーヒー教室 案内 裏.jpg588581767280591156.jpg功一プロフィール 講師.png