ブログ!(徒然日記)
はじめまして!珈琲焙煎士&カフェ経営者の渡邉功一です!
はじめまして19HITOYASUMI&amidacoffee代表の渡邉功一です!こちらのブログでは、日々のたわいもない私の日常をお伝えさせていただきます!
今回のテーマはこちらです。# 「3年で半分が潰れる」の出典を探して、24年目にしてわかったこと、
「カフェなんて、3年で半分は潰れるよ」
独立を考えていると、必ず誰かに言われます。私も24年前、そう言われました。言ったのは、悪意のある人ではありません。心配してくれていた人です。
でも先日、ふと気になって調べてみました。この「3年で半分」という数字、いったいどこから来たんだろう、と。
結論から言います。**出典が、どこにもありませんでした。**
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## 数字が、書いている人によって全部違う
まず驚いたのは、数字そのものがバラバラだということです。
飲食店の廃業率を扱うサイトをいくつも見ていくと、「10年生存率は5%」と書いてあるところがあり、別のところでは「8〜10%」、また別のところでは「10年存続率は3割未満」となっている。3年についても「5割」「7割」と幅があります。
そして、そのほとんどが出典を示していない。示していても、リンク先はまた別の同じようなサイトです。
正直だなと思ったのは、ある業界メディアが自分でこう認めていたことです。生存率には様々な説があり、データを取った年代や、調査する団体、媒体、コンサルタントの意見によっても数字は変わる、と。
つまり、**みんなが引用し合っているだけで、大元が存在しない。**
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## では、公的な数字は何と言っているのか
国が出しているデータもあります。
2017年版の中小企業白書には、帝国データバンクのデータベースをもとにした企業生存率が載っています。起業から1年後が95.3%、3年後が88.1%、5年後が81.7%。
「3年で半分」どころか、3年後も9割近くが生き残っている。欧米と比べても日本の数字は高い、とされています。
……と、ここで終わらせたい気持ちはあります。「ほら、噂は嘘だった」と。
でも、それをやったら、私は噂を広めている人たちと同じことをすることになります。
この白書には、注釈がついています。**この生存率はデータベースに情報が収録されている企業だけを集計したもので、収録までに時間がかかるため、実際の生存率より高めに算出されている可能性がある**、と。国が自分で断っているのです。
さらに、この対象は基本的に法人です。個人事業主は網羅されていません。カフェを開く人の多くは、まず個人事業主です。
そして決定的なのは、同じ中小企業庁が別の白書で、こう書いていることです。**開業率と廃業率がともに最も高く、事業所の入れ替わりが最も盛んな業種は「宿泊業、飲食サービス業」である**、と。
つまり、全業種平均の88%は、私たちの業界には当てはまらない。
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## 誰も、本当の数字を知らない
ここまで調べて、私がたどり着いた結論はこれです。
「3年で半分」には根拠がない。でも「3年後も88%」も、あなたの店の話ではない。
**カフェが何年でどれだけ残るのか、正確な数字は誰も持っていない。**
それが現実です。
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## では、なぜあの言葉は語り継がれるのか
根拠がないのに、なぜあれほど流通しているのか。いくつか理由が考えられます。
ひとつは、海外のデータとの混同です。欧米では5年後の生存率が40%台という数字があり、それが日本の話として輸入された可能性。
ひとつは、スタートアップの世界との混同。「10社に1社当たればいい」という前提で走る世界の話が、街の小さな商売と一緒くたに語られている。
ひとつは、体感の一般化。実際、飲食の入れ替わりは激しい。よく通っていた店が消えれば、印象は残ります。
そしてもうひとつ。ここからは、24年やってきた私の実感です。
**あの言葉は、「言う側」にとって都合がいいのです。**
「そんなに甘くないぞ」と言う人の中には、コンサルティングやセミナーを売りたい人がいます。不安を煽ることが、そのまま商売になる。
もっと言えば、**すでにその場所で商売をしている人にとって、新規参入は歓迎すべきものではありません。** 口には出しません。でも「大変だよ」「やめておいた方がいい」という言葉の奥に、自分の取り分を減らしたくない気持ちがまったく無いとは、私には言い切れません。
私自身、正直に言えば、そういう気持ちが自分の中に湧いたことがあります。近くに新しいカフェができると聞いたとき、一瞬、身構えた。あの感覚を知っているから、書いています。
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## 町活かし、町壊し、町育て
24年やってきて、まちづくりについて学んだことがあります。
新しいことを始めるとき、格好のいい部分だけではありません。**町を活かす部分があり、同時に、これまでのものを壊す部分があり、その先に、町を育てる部分がある。** この三つは分けられません。
そして、変化を最も嫌うのは、そこに長くいる人たちです。行政が旗を振っても、外から圧力がかかっても、それだけでは町は動かない。
動かすには三者が要る、と言われます。**若者と、馬鹿者と、よそ者。**
若さがあり、損得を計算しない者がいて、外の目を持った者がいる。この三つが揃ったときにだけ、新しい流れは生まれます。
これから店を開こうとしているあなたは、たぶんこの三つのどれかです。だから「大変だよ」と言われる。**言われるということは、あなたが変化の側にいる証拠です。**
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## 揃えることなかれ
私が言いたいことは、ひとつだけです。
**出所のわからない数字に、一度きりの人生を決めさせるな。**
良い大学を出て良い会社に入れば安泰、という前提はもう崩れました。それなら、自分がやりたいことをやる方が、よほど筋が通っています。
それがカフェなら、やればいい。全力でやって、楽しめばいい。
もちろん、簡単ではありません。私は24年で、たくさん失敗しました。原価も、立地も、人の使い方も、間違えました。今も間違えています。
でも消えていった店と続いた店の違いは、確率ではありませんでした。**数字ではなく、続けるための具体的な打ち手を持っていたかどうか**。それだけです。だから、そのやり方はこれから書いていきます。
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## 最後に
好きな言葉があります。
「早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」
一般にはアフリカのことわざとして知られていて、アル・ゴア氏がノーベル平和賞の演説で引用して広まったと言われています。
……ただ、正直に書きます。この言葉の出典を調べても、はっきりしませんでした。この記事で「出典のない言葉」を疑ってきた以上、ここだけ都合よく使うわけにはいきません。
出所は、わかりません。**それでも私は、この言葉は本当だと思っています。** 24年、一人では絶対にここまで来られなかったからです。
だから、これから富山でカフェをやりたい人、お菓子屋をやりたい人、コーヒーの仕事をしたい人へ。
一人で行かないでください。
私は競合が増えることより、この土地でおいしいコーヒーを出す店が増えることの方が、ずっと嬉しい。豆のことでも、数字のことでも、人のことでも、聞きたいことがあれば聞きに来てください。
遠くへ行きましょう。みんなで。
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*富山県西部で5店舗のカフェと自家焙煎を24年。Qグレーダーの焙煎士であり、経営者です。*
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### 参考
- 中小企業庁『2017年版 中小企業白書』第2部第1章 コラム2-1-2「起業後の企業生存率の国際比較」(資料:帝国データバンク「COSMOS2」)
- 中小企業庁『2023年版 中小企業白書』第2部第2節「起業・創業」
- 中小企業庁『2024年版 小規模企業白書』第2部第2節「新たな担い手の創出」





