ブログ!(徒然日記)
富山県の全家庭の約13倍、県全体の約2.6倍の電気。いま造っている施設の、少なくとも約8倍。南砺市内で描かれている「3.1ギガワット」の本当の大きさ
今日は、いつものコーヒーの話ではありません。
私が暮らす南砺市で、いま起きていることを書きます。医王山のふもと、私の家から車で20分ほどの場所で、データセンターの造成工事がもう始まっています。
でも、私がいちばん伝えたいのは、その工事のことではありません。その先に描かれている「全体の大きさ」のことです。
いま造っている第1弾は、構想全体から見ればほんの入り口にすぎません。南砺市内で描かれている最終構想は、電力の規模で第1弾の少なくとも約8倍。この数字を知っている市民は、まだほとんどいないと思います。
家庭の電気に置き換えると、もっと身近になります。最大出力で1年中動いたと仮定した私の単純計算では、3.1ギガワットは富山県じゅうの家庭が使う電気の約13倍。家庭も工場もお店も合わせた富山県全体の電気の約2.6倍です。
長くなりました。それでも、どうか最後まで読んでください。そして読み終えたら、家族や職場の人と少しだけ話してみてください。それが、この文章を書いた一番の理由です。

朝霧に包まれた棚田と、ふもとの集落。毎朝あたりまえにある、この静かな景色を守りたいと思います。※画像はイメージです
■ この記事の要点
- 南砺市内で描かれている最終構想は3.1ギガワット。いま造成中の第1弾(建物の最大設計400メガワット/電力使用300メガワット)の、電力規模で少なくとも約8倍です。
- 3.1GW ÷ 400MW = 約7.8倍/3.1GW ÷ 300MW = 約10.3倍(公表値からの筆者による単純計算)
- 3.1ギガワットが1年中動くと、約272億kWh。富山県内の全世帯(約40万世帯)が1年に使う電気の約13倍、家庭・工場・お店などを合わせた富山県全体の1年の電力需要(約103億kWh)の約2.6倍です。 第1弾(300メガワット)だけでも、県内の全家庭の約1.2倍、県全体の約4分の1にあたります(いずれも最大出力で1年中動いた場合の筆者による単純計算)。
- 南砺市の全家庭が1年で使う電気(約9,250万kWh)と比べると、第1弾で約28倍、最終構想で約290倍。第1弾を最大で1年中動かした場合(約26億kWh)は、メタ社で最も電力を使う拠点の2024年の実績(約17.3億kWh)を上回ります(いずれも筆者による単純計算。メタ社は実績値、南砺は理論上の上限)。
- メガワットは「瞬間の大きさ」(車のスピード)、kWhは「1年の量」(走った距離)。両方を合わせて、起こり得る影響を考える必要があります。
- 3.1ギガワットは原発およそ3基分。第1弾だけでも原発1基の3分の1前後です。
- 第2弾以降は決まっていません。市も「白紙」としています。でも「白紙」は「小さくなる」という意味ではありません。市は拡張の適地調査を進め、第1弾を「試金石」と位置づけ、3.1ギガワットなら約370億円の増収という試算も示しています。拡張に備えた射撃場の移転検討も報じられています。
- 第1弾の造成工事は2026年7月にもう始まっています。操業は2028年12月の見通しです。
- 計画は発表直前まで伏せられ、市自身も「情報公開が不十分だった」と認めています。環境アセスメントは条例の対象外、電気代への影響の公式な試算は見当たらず、運営する会社もまだ決まっていません。
- これから私は、主権者教育を地域で提唱していきます。子どもや孫にも、自分たちのまちのことを決める話し合いに加わる権利があります。家庭で、学校で、地域で、大人がそれを教え、見せていきたい。
- 私は市民団体の署名に自分の名前を書きました。それは「反対」の一言ではなく、「全体像を、市民に開かれた場で話し合ってほしい」というお願いです。
「1」と「8」。この記事で伝えたいのは、この比率です
いま医王山のふもとで造られているデータセンターを「1」とします。
南砺市内で描かれている最終構想は、電力の規模で、その少なくとも約8です。
数字の根拠を、きちんと書いておきます。
| 規模 | 出典 | |
|---|---|---|
| 第1弾・電力使用量 | 300メガワット | 南砺市 |
| 第1弾・建物の最大設計 | 400メガワット | 南砺市 |
| 最終構想(南砺市内で合計) | 3.1ギガワット(3,100メガワット) | 共同通信PR 2025年12月19日 |
- 3.1ギガワット ÷ 400メガワット(建物の最大設計)= 約7.8倍
- 3.1ギガワット ÷ 300メガワット(第1弾の電力使用量)= 約10.3倍
どちらの基準で見ても、少なくとも約8倍です。(※公表されている数字から私が割り算した、筆者による単純計算です。)
一つだけ、はっきりさせておきます。これは電力の規模の話です。土地の広さや建物の数が8倍になる、という資料は見つかっていません。ですから、そうは書きません。
それでも、意味するところは重いと思っています。いま造っている施設の上に、電力にしてその何倍もの規模を、南砺市内で積み上げていく構想が描かれている。 工事の音が聞こえ始めたいまは、まだ物語の最初のページなのです。
「300メガワット」は、1年分の量ではありません
ここで一つ、私自身も最初は混乱したことを整理しておきます。
「300メガワット」「400メガワット」「3.1ギガワット」は、ある瞬間に、どれだけの電気を受け取れるか(使えるか)という「大きさ」です。共同通信PRの言葉でいえば「受電能力」です(共同通信PR 2025年12月19日)。1年間や一晩で使う電気の「量」ではありません。
車にたとえると分かりやすいと思います。
- メガワット(MW)は「スピード」です。時速何キロで走れるか、にあたります。
- キロワット時(kWh)は「走った距離」です。そのスピードで何時間走ったか、で決まります。
たとえば、300メガワットで一晩(12時間)動き続けると、300メガワット × 12時間 = 約360万kWhになります。これを1年(8,760時間)続けると、約26億kWhです(いずれも筆者による単純計算)。
データセンターは、24時間、ほとんど休まずに動く施設です。だから、「瞬間の大きさ」と「1年の積み重ね」の両方で考える必要があります。この記事に出てくる「○○世帯分」は、最大の大きさで1年中動いた場合の「距離」の計算です。
富山県じゅうの家庭の、約13倍
「ギガワット」と言われてもピンとこない。それなら、私たちの家の電気に置き換えてみます。
あくまで最大出力で1年中動いた場合の筆者による単純計算です。実際の使用量は、これより少なくなる可能性があります。
- 3.1ギガワット × 1年(8,760時間)= 約272億kWh
- 富山県内の一般世帯は403,007世帯です(富山県 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果の概要、2020年10月1日現在)。
- 北陸地方の家庭は、1世帯あたり年間約5,300kWhの電気を使っています(環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査・令和5年度)。
- 富山県内の全家庭が1年に使う電気:403,007世帯 × 5,300kWh = 約21.4億kWh
- 272億kWh ÷ 21.4億kWh = 約13倍
3.1ギガワットは、富山県内のすべての家庭が1年に使う電気の、約13倍です。
いま造っている第1弾(300メガワット)でも、1年で約26億kWh。富山県内の全家庭の約1.2倍です。建物の最大設計(400メガワット)なら約35億kWhで、約1.6倍になります。
家庭も工場もお店も合わせた、富山県全体の電気と比べると
家庭だけでなく、工場もお店もすべて合わせた、県全体の1年の電力需要とも比べてみました。
- 富山県全体の年間電力需要:約102.9億kWh(10,288,734千kWh、資源エネルギー庁 電力調査統計「都道府県別電力需要実績」2024年度、2025年12月23日公表時点)
上で計算した家庭の分(約21.4億kWh)は、そのおよそ2割です。富山県は、工場などで使う電気のほうがずっと多い県なのです(筆者による単純計算)。
| 1年間の電力量(最大で1年中動いた場合) | 富山県全体の1年分と比べると | |
|---|---|---|
| 富山県全体(2024年度の実績) | 約102.9億kWh | 1 |
| 第1弾(300メガワット) | 約26億kWh | 約4分の1(約26%) |
| 第1弾・建物の最大設計(400メガワット) | 約35億kWh | 約3分の1(約34%) |
| 最終構想(3.1ギガワット) | 約272億kWh | 約2.6倍 |
3.1ギガワットは、富山県の家庭・工場・お店などすべてを合わせた1年分の電気の、約2.6倍です。
この県全体の数字は、電力会社などが県内に供給した電気の量です。工場などが自分で発電して自分で使う分は含まれていません。それでも、一つの市の中の構想が、県全体の電気を大きく上回る規模だということは分かります。
世帯数で、ほかのまちとも比べると
3.1ギガワットの「約272億kWh」を、1世帯あたり年間約5,300kWhで割ると、約510万世帯分になります。いろいろなまちの世帯数と比べてみました。
| 比べる相手 | 世帯数 | 3.1ギガワット(約510万世帯分)は |
|---|---|---|
| 富山県全体 | 403,007世帯(富山県 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果の概要、2020年) | 約13倍 |
| 南砺市 | 17,449世帯(富山県 2026年1月1日) | 約290倍 |
| 名古屋市 | 1,206,270世帯(名古屋市 2026年10月1日) | 約4.2倍 |
| 大阪市 | 1,609,305世帯(大阪市 2026年10月1日) | 約3.2倍 |
| 東京23区 | 5,600,989世帯(東京都 2026年1月1日) | 約9割 |
富山県じゅうの、すべての家の電気を13回分。大阪市や名古屋市の全世帯よりも多く、東京23区の全世帯にも迫る。それが、南砺市内で描かれている最終構想の電気の規模です。
南砺市の全家庭が1年で使う電気と比べると
私たちの南砺市に置き換えると、こうなります(筆者による単純計算)。
- 南砺市の全世帯:17,449世帯(富山県 2026年1月1日)
- 17,449世帯 × 年間約5,300kWh(環境省)= 年間約9,250万kWh
| 1年間の電力量(最大で1年中動いた場合) | 南砺市の全家庭の1年分と比べると | |
|---|---|---|
| 南砺市の全家庭 | 約9,250万kWh | 1 |
| 第1弾(300メガワット) | 約26億kWh | 約28倍 |
| 最終構想(3.1ギガワット) | 約272億kWh | 約290倍 |
南砺市のすべての家が1年かけて使う電気を、第1弾だけで、およそ2週間足らず(約13日)で使い切る計算です(365日 ÷ 約28)。
世界の巨大IT企業の、実際の数字と比べると
「海外のデータセンターはもっと大きいのでは」と思われるかもしれません。そこで、メタ社(Facebookなどを運営)が公表している、2024年の実際の電力使用量を調べました(Meta 2025 Environmental Data Index)。
| メタ社のデータセンター(2024年の実績) | 年間の電力使用量 |
|---|---|
| プラインビル(オレゴン州) | 1,728,291MWh(約17.3億kWh) |
| アルトゥーナ(アイオワ州) | 1,585,392MWh(約15.9億kWh) |
| サーピー(ネブラスカ州) | 1,258,239MWh(約12.6億kWh) |
| メタ社のデータセンター合計(世界) | 18,061,781MWh(約181億kWh) |
南砺の第1弾が最大の大きさで1年中動いた場合の約26億kWhは、メタ社で最も電力を使っている拠点(プラインビル、約17.3億kWh)を上回ります。 そして最終構想の3.1ギガワット(約272億kWh)は、同じ計算で、メタ社が世界中のデータセンターで1年間に使った電気の合計(約181億kWh)さえ上回ります。
ただし、これは公平な比較ではない点も書いておきます。メタ社が公表しているのは実際に使った量で、拠点ごとの最大の大きさ(メガワット)は公表されていません。南砺の数字は最大で1年中動いた場合の理論上の上限です。実際の南砺の使用量は、これより少なくなる可能性があります。それでも、規模の感覚をつかむ手がかりにはなると思います。
前提が違えば数字も変わります。KNBは3.1ギガワットを「およそ300万世帯分」と紹介しています(KNB 2026年4月15日)。どの前提で見ても、私たちの暮らしの感覚とはかけ離れた規模です。

見慣れた田んぼと里山の向こうに、窓のない巨大な建物と鉄塔が並んだら。実在の施設ではなく、規模を想像するためのイメージです。※画像はイメージです
「白紙」は、「小さくなる」という意味ではありません
ここは誤解のないように書きます。第2弾以降は、まだ何も決まっていません。 市は「現在決定しているのは第1フェーズのみで、それ以降は白紙の状態」と説明しています(南砺市Q&A A10)。市報でも「西太美地区以外の計画については現時点では未定」とされています(南砺市 市報 2026年9月号)。
でも、公開されている資料を読むと、「白紙」が「縮小」や「取りやめ」を意味しているわけではないことが分かります。
- 最初から「3.1ギガワット」の構想です。 市と開発会社は発表の日から、「南砺市内で合計3.1GWの受電能力を有する事業用地(フェーズ)の開発計画」と説明しています(共同通信PR 2025年12月19日)。
- 拡張の適地調査が進んでいます。 市は同じ回答の中で、「適地調査を実施しており、3.1GWの集積地として拡張の可能性を検討していきたい」と書いています(南砺市Q&A A10)。
- 第1弾は「試金石」です。 市は第1フェーズを、構想全体の「試金石」的な位置づけだとしています(南砺市Q&A A11)。
- 3.1ギガワットの税収試算まであります。 実現すれば約370億円の増収になる、という参考の試算が示されています(南砺市Q&A A8)。
- 周りの施設を動かす話が、もう出ています。 北日本新聞は、データセンターが2期以降の工事で拡張された場合、県や市などが持つ三つの射撃練習施設の移転が必要になると報じました(北日本新聞 2026年8月27日)。富山新聞によると、市は「センター用地が拡張される可能性がある」として、近くの市クレー射撃場を来年6月にも休止する可能性があると県猟友会に通知しました。射撃場の敷地は現時点ではデータセンター用地に含まれておらず、移転は「検討段階」だそうです(富山新聞 2026年9月19日)。
- 国の枠組みも「ギガワット級」が前提です。 国は2026年9月11日、南砺市内でデータセンターの建設が予定される富山県を「GX戦略地域(データセンター集積型)」に認定しました。この類型は、1ギガワット規模のデータセンター拠点を10年程度で整備することを目指すものです(富山新聞 2026年9月12日)。
決まってはいない。でも、8倍の方向に向けた準備は、もう静かに始まっている。 私はそう受け止めています。
だからこそ、第1弾だけを見て「この規模なら」と判断するのではなく、3.1ギガワットという全体像を前提に、いま市民みんなで話し合っておく必要があると思うのです。
原発に置き換えると、どれくらいか
もう一つ、原発にも置き換えてみます。私はこの比較をしたとき、背筋が冷たくなりました。
一般的な大型の原子力発電所は、1基でおよそ100万kW、つまり1ギガワット(1,000メガワット)です。お隣の石川県にある北陸電力の志賀原発2号機は120.6万kWです(原子力規制委員会)。
- 第1弾(300〜400メガワット)= 原発1基の3分の1前後
- 最終構想(3.1ギガワット)= 原発およそ3基分
東洋経済も、この3.1ギガワットを「原子力発電所約3基分の出力に相当するともいわれる」と書いています(東洋経済オンライン 2026年9月8日)。
原発3基分の電気を使う構想が、南砺市内で描かれている。 いま工事が進んでいるのは、そのうちの「3分の1基分」です。
瞬間の大きさと、1年の積み重ね。すべてを合わせて考える
ここまで、「瞬間の大きさ(メガワット)」と「1年の積み重ね(kWh)」の両方を見てきました。私が言いたいのは、どちらか一方だけを見て「大丈夫」「危ない」と決めつけるのではなく、すべてを加味したうえで、どのような影響が起こり得るかを考えなければいけないということです。
以下は、決まった事実ではありません。起こり得る影響と、まだ答えが出ていない問いとして並べます。
瞬間の大きさ(ピーク)から考えること
- 電力網への、大きく途切れない負荷。 数百メガワット、将来はギガワット級の電気を、昼も夜も受け取り続けることになります。予定地は北陸電力の南福光変電所のすぐ隣です(南砺市)。東洋経済も、南砺市の強みとして予定地の近くに変電所があることを挙げています(東洋経済オンライン 2026年9月8日)。
- 送電網の増強は必要になるのか。 認定された地域では、大量の電気を届ける送電線や変電所の整備を、国が送配電事業者への費用の貸し付けという形で後押しすると報じられています(富山新聞 2026年9月12日)。では、南砺ではどんな増強が、いつ、どこで、誰の負担で行われるのか。鉄塔や送電線は増えるのか。私が調べた限り、南砺のデータセンター向けの具体的な増強計画は見つかりませんでした。
- ほかの利用者への影響は。 地域の電気の供給に余裕はあるのか。災害や需給がひっ迫したとき、どう扱われるのか。これも、市民に分かる形の説明は見当たりません。
1年の積み重ね(総量)から考えること
- 電気代。 何度でも書きますが、電気代が上がると決まったわけではありません。 でも、上がるのか上がらないのか、公式な試算は見当たりません。市民団体の要望書も、この点を「十分に説明されていない」と指摘しています(KNB 2026年8月31日)。
- CO2と、電気をどこから持ってくるのか。 年間数十億〜数百億kWhの電気を、どんな電源でまかなうのか。国の制度の名前は「GX(グリーントランスフォーメーション)」ですが、南砺の施設の電源構成についての説明は、私には見つけられませんでした。
- 排熱。 使った電気は、最後はほとんど熱になって外へ出ていきます。市は影響は大きくないとしています(南砺市Q&A A21)が、3.1ギガワットまで広がった場合の説明はありません。
- 音。 冷却設備は動いている限り音を出します(南砺市Q&A A22)。1年中、24時間です。
- 地域の負担。 道路、工事車両、景観、里山。第1弾の三者協定には測定と公表が盛り込まれました(北日本新聞 2026年6月25日)。でも、その約8倍の全体像を前提にした取り決めは、まだありません。
一つひとつは「心配しすぎ」かもしれません。でも、瞬間の大きさ、1年の総量、そして3.1ギガワットという全体像。 その全部を重ねたときに何が起こり得るのかを、建てる前に、市民と一緒に考えてほしいのです。
対岸の火事では、ありません
データセンターと聞いて、多くの方は「自分には関係ない、どこか遠くの話」と感じると思います。正直に言えば、私も少し前まではそうでした。
でも、これは南砺の話です。私たちが子どもを育て、田んぼを耕し、店を開け、毎日暮らしているこのまちで、重機がもう土を動かしています。そしてその先には、電力にしてその何倍もの規模が、南砺市内で描かれています。
対岸の火事ではありません。私たちの足もとで、いま起きていることです。
南砺で暮らし、富山で働く一人として

細い町並みを進む曳山と、それを見守る町の人たち。祭りは、地域がひとつになる日です。※画像はイメージです
私は南砺市で、妻と三人の子どもと暮らしています。毎朝ばたばたと送り出し、夜はにぎやかな食卓を囲む。どこにでもある家族です。
仕事では、19HITOYASUMI(一休)として富山県内で5つのお店を営んでいます。高岡、砺波、南砺、そして富山市。どのお店も地域の皆さんに支えられてここまで来ました。そして、たくさんのスタッフが一緒に働いてくれています。
建設予定地は、私の家から車で20分ほどの場所です。
「20分も離れているなら関係ないでしょう」と言われるかもしれません。でも、私にはそうは思えません。その理由を、順番にお話しさせてください。
まず、何が決まっているのか

福光から医王山にかけての地図。赤い丸は計画地付近(おおよその位置)です。地理院タイル(標準地図)に注記を追記して掲載

西太美・小院瀬見周辺の航空写真(造成工事前の撮影とみられます)。出典:国土地理院 地理院タイル(全国最新写真・シームレス)

富山県西部の広域図。赤い丸は計画地付近(おおよその位置)です。地理院タイル(標準地図)に注記を追記して掲載

富山県内の南砺市の位置。地図:Lincun / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0(https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)
ここだけは感情を抜きにして、公開されている事実を並べます。
- 場所:南砺市西太美地区。福光里山体育館や旧里山野外緑地広場があった市有地、約13.1ヘクタールです。北陸電力の南福光変電所のすぐ隣にあります(南砺市 データセンター誘致事業ページ)。
- 開発する会社:GigaStream富山株式会社(ギガストリーム富山)。データセンター用の土地を整えて管理する会社です。実際に建てて運営する会社は別で、まだ決まっていません(富山新聞 2026年10月8日)。
- 土地の売却:市はこの土地を、ギガストリーム富山の子会社に随意契約で約1億8,928万円(1㎡あたり1,446円)で売却しました(南砺市Q&A A38)。
- 規模:第1フェーズは電力使用量300メガワット、建物は最大400メガワット規模の設計です。最終的には3.1ギガワットの「国内最大級」を目指す構想です(南砺市、共同通信PR 2025年12月19日、ロイター 2025年12月19日)。
- 工事:2026年7月10日に造成工事の起工式がありました。造成は2027年4月末までの予定です(北日本新聞 2026年7月11日、南砺市Q&A A30)。
- 操業:市長は「2028年12月には電気が来る」と話しています(富山新聞 2026年10月8日)。
「これから考える話」ではありません。もう始まっている話です。そして繰り返しますが、これは少なくとも約8倍の構想の、最初の一歩です。
「知ったときには、もう決まっていた」
私がこの計画をきちんと知ったのは、つい最近です。周りに聞いても、返ってくるのは「え、そうなの?」ばかりでした。
市が公開している経緯を読むと、その理由が分かります(南砺市、南砺市Q&A)。
これまでの流れ
- 2025年春〜:一部の地元関係者にだけ、先に説明
- 2025年9月11日・12月1日:一部の地元関係者向けの説明会
- 2025年12月3日:西太美地区の全住民向けの説明会(開発する会社は欠席)
- 2025年12月17日:土地売却の議案を市議会に提出
- 2025年12月19日:市議会が売却を承認し、計画を発表
- 2026年1月9日:土地の売買契約
- 2026年1月〜4月:地元協議会主催の情報交換会(3回)
- 2026年4月28日:西太美地域づくり協議会の会合で、受け入れに同意
- 2026年6月24日:協議会・開発会社・市の三者で協定を締結
- 2026年7月10日:造成工事の起工式
- 2026年8月31日:市民団体が23,376筆の署名を県と市に提出
- 2026年9月11日:国が富山県を「GX戦略地域(データセンター集積型)」に認定(富山新聞)
- 2028年12月:操業の見通し
地区全体への説明会から議会の承認まで、わずか2週間あまり。その説明会に、開発する会社は来ていませんでした。
なぜ直前まで伏せていたのか。市はQ&Aで、「第三者の介入(不当な土地の買い占めなど)による乱開発を防ぐため、一定の合意が得られるまで企業誘致特有の秘匿性をもって進める必要があった」と答えています(南砺市Q&A A34)。
その事情も、分からなくはありません。でも、原発およそ3基分、第1弾の少なくとも約8倍にもなる構想の第一歩を、市民の大半が知らないまま踏み出してよかったのでしょうか。
市自身も、意見交換会の場で「これまでの情報公開が不十分だった」と認めています(KNB 2026年4月15日)。同じ会合では、参加した住民から「若い人がまったくいないと、そういうところに声が届いているのかなっていうのは一つ懸念としてあります」という声も出ていました(同)。
県知事も、国の認定を受けたコメントで「地元に丁寧に説明し、理解を得ながら進めていただきたい」と述べています(富山県 知事コメント 2026年9月11日)。
まだ、誰も答えを持っていないこと
調べれば調べるほど、「まだ分からない」ことの多さに驚きました。
- 環境アセスメントはありません。 富山県の環境影響評価条例の対象外だからです。市は、着工前に水質・電磁波・気温・騒音の調査に着手するとしています(南砺市Q&A A24)。
- 公聴会もありません。 都市計画法上は開発許可の案件で、公聴会が必要な場合にはあたらない、というのが市の見解です(南砺市Q&A A36)。
- 電気代への影響の公式な試算は、私が調べた限り見つかりませんでした。
- 実際に建てて動かす会社が、まだ決まっていません。 8月中に決める予定が延び、10月の時点でも協議中です(北日本新聞 2026年9月2日、富山新聞 2026年10月8日)。
- 市民向けのシンポジウム形式の説明会は「予定」と書かれています(南砺市Q&A A6)。でも、開催日は見つけられませんでした。
誰が動かすのか分からない。電気代にどう響くのか分からない。環境アセスメントもない。第1弾でさえそうなのに、その約8倍の全体像については、なおさら説明がありません。それでも、工事は止まらずに進んでいます。 私が一番「怖い」と感じているのは、ここです。
私が心配していること
ここに書くのは、まだ南砺で「起きた被害」ではありません。住民が心配していることと、ほかの土地で実際に報じられていることです。その違いをはっきりさせたうえで、聞いてください。
1. 夜の音と、眠り
データセンターは24時間、眠りません。主な音のもとは冷却用の室外機と非常用のディーゼル発電機だと、市は説明しています(南砺市Q&A A22)。
予定地には、冷却に使える地下水や工業用水がほとんどありません。そのため、冷却は空冷か、特殊な液体を循環させる方式になる見込みです(南砺市Q&A A17)。
市は「周囲に隣接する住居がないため、大きな影響はないと考えている」としています(南砺市Q&A A5)。
一方、データセンターが約30棟集まる千葉県印西市では、近くの住民がこう話しています。「月に1度、非常用発電機のテスト運転が行われる日は、日常の静けさが一変する」「『ゴーッ』という凄まじい重低音が響く」(週刊現代/マネー現代 2026年10月7日)。同じ記事には、「夜間も非常に静か」という別の住民の声も載っています。
低い音の感じ方は、人によって違います。だからこそ、眠りや日々のストレスにどう響くのかを、事前にきちんと測って示してほしいのです。
2. 熱
サーバーを冷やせば、その熱は外へ出ていきます。印西市の住民は「冬は北風に乗って、住宅地のほうへ暖かい空気が流れていくのがわかる」と証言しています(週刊現代/マネー現代)。
市は「敷地境界まで十分な離隔距離を設けるので、影響は大きくない」としています(南砺市Q&A A21)。地元の住民グループが開いた勉強会でも、排熱による健康への影響が問題提起されました(北日本新聞 2026年7月5日)。
3. 電気代と、仲間の暮らし
これは、店をやる人間として本当に切実です。焙煎機も冷蔵庫も、電気がなければ一日も動きません。一緒に働くスタッフの家庭も同じです。
ただし、ここは正確に書きます。南砺の計画で電気代が上がると決まったわけではありません。 問題は、上がるのか上がらないのか、市民に分かる形の説明がまだないことです。市民団体の要望書も、まさにこの点を「十分に説明されていない」と指摘しています(KNB 2026年8月31日)。
4. 電磁波への不安
住民からは、電磁波を心配する声も上がっています。予定地の近くで養蜂をしている方は、ミツバチへの影響を気にかけています(KNB 2026年4月15日)。
市は「国際ガイドラインと国内の規制値を下回るよう設計される」と説明し、測定と公表を約束しています(南砺市Q&A A23)。健康被害が出ると言いたいわけではありません。住民の不安には、測定結果という「数字」で答えてほしいのです。
5. 医王山のふもとの、里山と水

石川県側(兼六園)から望む医王山。写真:そらみみ / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/)

石川県側(金沢城)から見た医王山。写真:お山の大将 / Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

才川城跡(南砺市才川七。南福光変電所と同じ地区)。写真:Koshinami / Wikimedia Commons(CC0)

才川七・宗善寺のつなぎがや。写真:Koshinami / Wikimedia Commons(CC0)

太美山停留所。写真:赤座 / Wikimedia Commons(CC0)

刈り取った稲を天日で干す、秋の田んぼ。この土と水が、私たちの食卓を支えてくれています。※画像はイメージです
予定地は、医王山のふもとの里山です。市も「誘致予定箇所は森林が多く含まれている」と認め、「開発基準により森林を一定割合残す」としています(南砺市Q&A A5)。
造成前の調査では、縄文土器などの出土品も見つかっています。ずっと昔から人が暮らしてきた土地だということです。それでも、記録保存をしたうえで計画は中止しないとのことです(南砺市Q&A A41)。
水について、市は冷却水を排水することはないと説明しています。野地ため池の水質調査も続けるとしています(南砺市Q&A A18・A20)。コーヒーの仕事をしていると、水の大切さを毎日感じます。おいしい一杯は、きれいな水があってこそ。南砺の水が、この先も変わらずにあってほしいと心から願っています。
予定地の近くで稲作や養蜂の体験事業をしている方は、こう話していました。「前、質問会に出席した時にデベロッパーの方から『影響があると思います』とあったので、じゃあどれくらい影響があるのか」(KNB 2026年4月15日)。
その「どれくらい」に、まだ誰もはっきり答えられていません。
私も、署名しました
この問題に早くから向き合ってきた市民の方々がいます。計画地の周りに移り住んだ人たちを中心とする住民グループ「里山未来-NANTO」です(北陸中日新聞 2026年7月5日)。
- 2026年7月4日:研究者を招いて勉強会を開き、地元をはじめ各地から約50人が参加しました(北陸中日新聞)。
- 2026年8月31日:法的な拘束力のある「環境共生ガイドライン」の策定などを求め、23,376筆の電子署名と要望書を県と市に提出しました(KNB 2026年8月31日)。市の集計では、署名簿の住所から市民と確認できたのは78名でした(南砺市)。
- 要望書は、電気料金の値上がりや大量の排熱による環境への影響が十分に説明されていないとして、検証と公開を求めています(KNB)。
私も、この署名に自分の名前を書きました。
誤解してほしくないのですが、それは単純な「反対」の意思表示ではありません。私が書いたのは、「3.1ギガワットという全体像も含めて、大事なことを市民に開かれた場で、きちんと話し合ってほしい」というお願いです。
誰かと対立したいわけではありません。市民のすぐそばで、分かる言葉で説明してくれる。疑問に答えてくれる。決める前に、声を聞いてくれる。そんな、市民に寄り添った開かれた行政であってほしい。その一票のつもりで署名しました。
一方で、地元の西太美地域づくり協議会の方々が、区長や市議、有識者を交えて三者協定の中身を何度も検討してくださったことも、きちんとお伝えしておきます。協定には、排水・騒音・排熱・電磁波の測定と公表、生態系の調査などが盛り込まれました(西太美地域づくり協議会、北日本新聞 2026年6月25日)。
受け入れを決めた方も、慎重な声を上げる方も、それぞれにこの地域を思っている。私はそう受け止めています。だからこそ、その間に「開かれた話し合いの場」がほしいのです。
遠い国の話が、目の前に来た
先日、NewsPicksの番組「週刊ジョーホー」で、アメリカのAIデータセンターを現地取材した回を観ました(動画はこちら)
舞台はアメリカ中西部、特にオハイオ州です。
- メタ社の巨大データセンターの近くに住む男性が、「夜10時に来て音を聞いてみろ」と騒音を訴えていました。
- グローブシティという町では、農家の方々が立場の違いを超えて手を組み、計画を止めたそうです。
- 家庭の電気代が上がったことへの住民の怒りが広がっている様子も伝えられていました。
アメリカと南砺では、規模も制度も違います。同じことがそのまま起こるとは思いません。
けれど、日本でも同じような動きはもう始まっています。印西市では住宅のすぐそばにデータセンターが建ち、住民訴訟にまで発展しました。政府も、データセンターの適正な立地に向けて関係省庁の連絡会議を設けています(産経新聞 2026年10月4日)。
画面の向こうにあったはずの話が、いま、南砺の里山に来ています。
20分先は、他人事ではない
私には、一緒に働いてくれる仲間がたくさんいます。その家族まで含めれば、もっと多くの暮らしがお店とつながっています。
電気代、地域の景気、住みやすさ。そのどれか一つが揺らげば、仲間たちの生活が揺らぎます。だから私は、この計画を経営者としても、一人の市民としても、自分ごととして受け止めています。
予定地の周りで農業を営む知り合いも、そこで暮らしている知り合いも、たくさんいます。顔も声も知っている人たちです。たまたま自分の家から車で20分先のことだから、他人事。そんなふうには、どうしても思えません。
少しだけ、私の考えていることを
ここからは、データセンターの話から少し離れます。ずっと胸の中にあった、私自身の価値観の話です。特定の政党や政治家を支持したり、批判したりするためのものではありません。
誰かの自由が、誰かの不自由になるとき
この計画のことを考えているうちに、根っこにあるのは「行き過ぎた新自由主義的な考え方」ではないか、と思うようになりました。
社会主義がいいと言いたいのではありません。自由に挑戦できること、商売ができることの大切さは、私自身が誰よりも感じています。そのおかげで、5つのお店を持つことができました。
ただ、自由と利益を突き詰めていくと、ある人の自由や利益が、別の誰かの損失や不自由になってしまう場面があります。大きなお金が動くところで、そのしわ寄せが、声の小さい人や、遠くに住む人や、まだ生まれていない子どもたちに回っていく。そういうことが、世界のあちこちで起きているように見えます。
「お互いさま」が、薄れてきている

雪をかぶった合掌造りの集落。厳しい冬を、助け合って越えてきた知恵がここにあります。※画像はイメージです
日本には、もともと「お互いさま」という言葉がありました。町内会や集落の寄り合い、田植えや雪かきの助け合い。村社会の横のつながりの中で、誰かの困りごとは、みんなの困りごとでした。
そうした利他の心や横のつながりが、少しずつすり減ってきている。私はそう感じています。そこへ、自分の利益を最優先にする欧米的な考え方が重なって、国内でも状況がいっそう難しくなっているのではないか。今回のように、大きなことが「知らないうちに」決まっていく流れも、その延長線上にあるように思えるのです。
それでも、昔に戻りたいわけではない
かといって、「昔の日本はよかった」と言いたいわけではありません。昔に戻れるとも思っていません。村社会には、窮屈さや、声を上げにくい空気もありました。
ただ、あらためて振り返ってみると、子どもや孫の世代のために、いま私たちがやらなければいけないことが、少しずつはっきりしてきました。
それは、新しい形の「お互いさま」をつくることです。知らない人に任せきりにしない。分からないことは、分かるまで聞く。困っている人の声に、耳を傾ける。そして、決める前にみんなで話し合う。古い村社会でもなく、誰かの得が誰かの損になる社会でもない、その間にある、開かれたつながりです。
子どもたちに、どんな景色を手渡すのか

田植え前の水田に、カイニョに囲まれた家と山並みが映る夕暮れ。何百年もかけて暮らしがつくってきた風景です。※画像はイメージです
私たちが見て育った南砺の景色があります。田んぼの向こうに山並みが見えて、夏はカエルの声、秋は稲刈りのにおいがする。
いま子どもたちが見ているこの景色を、まったく別の景色にはしたくありません。10年後、20年後に子どもたちから「どうしてあのとき、誰も何も言わなかったの?」と聞かれたくないのです。
技術を否定したいのではありません

何十本ものノミを使い分け、一彫りずつ刻む職人の手。南砺には、時間をかけて受け継がれてきた技があります。※画像はイメージです
誤解のないように書きます。私は、データセンターそのものを否定するつもりはありません。私も仕事でAIを使いますし、スマホもクラウドも使っています。社会に必要な施設だということも分かっています。
予定地の近くで暮らす方も、KNBの取材でこう話していました。「私自身ももちろんスマホを使っている」「だからなおさら地元地域の住民だけの問題ではないと思う」(KNB 2026年4月15日)。
私の考えは、とてもシンプルです。
建てるなら、人の暮らしから十分に離れた場所に。工業地帯や、本当に人の住まない遠隔地に。 そして、市民が「知って、考えて、意見を言える」順番で進めてほしい。
一日の仕事を終えて、車で家に帰る。玄関を開けると子どもたちの声がして、夜は虫の声だけが聞こえる。その当たり前の静けさこそ、私が南砺を好きな理由です。多くの方がこのまちに住み続けている理由でもあると思います。
その静けさは、一度失ったら、簡単には取り戻せません。
過去に戻るのではなく、前を見る
第1弾は、もう動き出しています。でも、構想全体から見れば、それは多く見積もっても約8分の1です。残りの大部分は、まだ決まっていません。 運営する会社の選定、拡張の行方、環境の測定と公表。どれも、これからです。だからこそ、いまなら話し合えます。
だから、お願いです。
- まず、読んでください。 市のページとQ&Aに、経緯や市民の質問への回答が載っています。
- 南砺市 データセンター誘致事業について
- 南砺市 市民の質問への回答(Q&A・PDF)
- 説明会や意見交換会があれば、足を運んでください。 「シンポジウム形式の市民向け説明会」を早く開いてほしい、そして第1弾だけでなく3.1ギガワットの全体像を説明してほしい、という声も届けましょう。
- 家族や近所の人、職場の仲間と話してください。 「いま造っている施設の少なくとも約8倍、富山県じゅうの家庭の約13倍の電気を使う構想があるって知ってた?」の一言からで十分です。
- 市役所や市議会に、自分の言葉で伝えてください。 地元の市議会議員に聞いてみるのも一つの方法です(南砺市議会)。
- この記事を、シェアしてください。 知らない人が一人減るだけで、まちの話し合いは確実に変わります。
声を上げることは、誰かを責めることではありません。自分たちのまちを大切に思っているという意思表示です。賛成の人も、反対の人も、まだよく分からない人も、それぞれの声がちゃんと届く南砺であってほしいと願っています。
子どもたちにも、まちのことを決める権利がある
もう一つ、これから私がずっと言い続けていきたいことがあります。主権者教育を、ちゃんとしなければいけないということです。
さきほど「子どもたちに、どんな景色を手渡すのか」と書きました。でも本当は、手渡すだけでは足りないと思っています。このまちの景色の中で、これから何十年も生きていくのは、子どもたちや孫たちです。だから、自分たちのまちのことを決める話し合いに加わる権利は、子どもたちにもある。私はそう思っています。
そして、その権利の使い方を教え、見せるのは、私たち大人の役目です。特別なことではありません。
- 家庭で。 市のページやQ&Aを、親子で一緒に読んでみる。夕ごはんのときに「この話、どう思う?」と聞いてみる。
- 学校で。 自分たちのまちで実際に起きていることを題材に、考え、話し合う時間があってほしい。
- 地域で。 説明会や意見交換会に、子どもを連れて足を運んでみる。大人が質問し、意見を言う姿を見せる。
「知ったときには、もう決まっていた」。今回、多くの大人がそう感じました。子どもたちが大人になったとき、同じ思いをしてほしくありません。そのためには、小さいうちから「まちのことは、みんなで知って、考えて、決めるもの」だと体で覚えてもらうことが一番だと思うのです。
国も、主権者教育の取り組みを進めています(総務省 主権者教育の取組状況等)。私は一人の経営者として、そして三人の子の親として、このことを地域で提唱していきたいと考えています。
私たちは、過去に戻るのではありません。前を見るのです。子どもや孫の世代に、「この時代の大人たちは、ちゃんと話し合って決めたんだよ」と胸を張って言えるように。そして、いつか子どもたち自身が、自分たちのまちのことを、自分たちで話し合って決められるように。
お店でコーヒーを飲みながら、この話をしてくださっても大丈夫です。親子で来て、まちのことを話してもらえたら、こんなにうれしいことはありません。一杯のコーヒーをきっかけに人が集まり、世代をこえて顔を合わせて話し合える。それこそが、私の考える新しい「お互いさま」の始まりです。19HITOYASUMIは、そんな場所であり続けたいと思っています。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
渡辺功一(19HITOYASUMI)
※この記事の数字や事実は、2026年11月1日時点で公開されている市・県・国の資料と報道をもとにしています。「少なくとも約8倍」(3.1GW÷400MW=約7.8倍、3.1GW÷300MW=約10.3倍)は公表値からの筆者による単純計算で、電力の規模の比較です。土地や建物の規模を比べたものではありません。家庭や県の需要との比較(富山県内の全家庭の約13倍、富山県全体の約2.6倍、約510万世帯分など)は、最大出力で1年中動いた場合(3.1GW×8,760時間=約272億kWh、300MW=約26億kWh、400MW=約35億kWh)の筆者による単純計算です。富山県内の全家庭の電気は、令和2年国勢調査の一般世帯数(403,007世帯)に、1世帯あたり年間約5,300kWh(北陸地方の平均、環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査・令和5年度)を掛けた推計(約21.4億kWh)です。富山県全体の電力需要は、資源エネルギー庁 電力調査統計「都道府県別電力需要実績」の2024年度の合計(10,288,734千kWh、2025年12月23日公表時点)で、自家発電の自家消費分は含みません。ほかのまちの世帯数は各自治体が公表している住民基本台帳の数字で、基準日は自治体ごとに異なります。メタ社との比較は、メタ社の2024年の実績値(Meta 2025 Environmental Data Index)と、南砺の理論上の上限を比べたものです。GX戦略地域の認定内容は富山新聞(2026年9月12日)の報道によります。第2弾以降の計画は、現時点で決まっていません。誤りがあればご指摘ください。
掲載画像の出どころと使用条件
- 「※画像はイメージです」と書いた画像は、AIで生成したイメージで、実在の場所や人物、施設を写したものではありません。
- 地図・航空写真:国土地理院 地理院タイル(国土地理院コンテンツ利用規約)。標準地図には赤い丸の注記を追記しています。
- 医王山(兼六園から):そらみみ / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(元ページ)
- 南砺市の位置図:Lincun / Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0(元ページ)
- 医王山(金沢城から):お山の大将 / Wikimedia Commons(パブリックドメイン)(元ページ)
- 才川城跡・つなぎがや:Koshinami / Wikimedia Commons(CC0)
- 太美山停留所:赤座 / Wikimedia Commons(CC0)

